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セコライフ! - 障害福祉と音楽と何かと -

障害福祉の業界で働くぼくが考える医療福祉論から仕事の枠を超えた活動や好きな音楽まで幅広く発信。

第4回「一緒に全力で遊ぶことで「その人らしさ」が表現できるように」

ども、Sekoです。
記事の更新が遅れてしまいました。。

 

さて以前の記事でも書きましたが、ヘルパーの役割は「あたりまえの生活を支えること」です。あたりまえの生活の「生活」とは、生命維持×社会活動のこと。

「生」はご飯を食べる、排泄する、就寝するなどの「生命維持」。

「活」は遊びに行く、仕事をする、飲みに行くなどの「社会活動」を指します。

 

遊びの時間は、利用者さんの自由な意思をかたちにする瞬間。「その人らしさ」が最も現れる時間です。買い物に行く、家でぼーっとする、食べ歩きをする、好きなアーティストのコンサートに行く、溜まった録画したテレビ番組を観る、友達と飲みに行く、スポーツをする、旅行する……1人ひとり「らしさ」が違うように、遊びの方法も1人ひとり違います。

 

『遊びをしている時間をその人と一緒に、全力で楽しむ』

ヘルパーの仕事をするうえで、大切にしている考えの1つです。

 

仕事と割り切ったそのサポートは、本当に求められているものですか?

ヘルパーが利用者の遊びの時間を「仕事」として割り切り、支援する側の役割を徹底的に守ったとします。そのことで相手につまらなさそうに感じさせたり、一緒に遊ぶことを断ったりしたら?利用者の楽しさは半減してしまいますよね。

 

これは、その人らしさが出る遊びの場を奪い、その人らしくない時間を過ごすのを強いることに繋がっているかもしれません。

例えば、軽度の知的障害者と一緒にカラオケに行ったとします。

その時ヘルパーが遊びの時間を完全に仕事と割り切り、その人が歌いたい曲を歌うようサポートすることに徹底したとします。その人から「歌ってよ」とお誘いがあってもヘルパー自身は「仕事だから」と断ったり、その人が歌っている間に次に歌いたいであろう曲を選んだり。相手がカラオケを楽しむことをサポートしていますが、利用者さんが望んでいる「一緒にカラオケを楽しむ」遊びをしているとはいえません。

 

もちろんこのようなサポートを望んでいる人もいますので一概に言えません。しかし「歌ってよ」とお誘いがあれば歌ったり、その人が歌っているところに合いの手を入れて盛り上げたり、全力で一緒に楽しむようにサポートをする心掛けが重要だと思います。

 

その人らしさを引き出す、楽しみ方の3つのポイント遊びを一緒に楽しみ、その人らしさを存分に発揮させられるように、大切にしていることが3つあります。

 

■ 利用者さんのいまの感情を共有し、感情の表現に同調する

喜びや悲しみなどの感情を理解しあえると、人と人の距離感は近くなり、人間関係も良好になります。反対に、喜んでいるのに悲しむ・悲しんでいるのに喜ぶなど相手と感情を対比させると、その場の雰囲気が楽しくなくなるし、人間関係も悪化します。それだけではありません。感情の表現は十人十色で、例えば「楽しい」感情の表現方法も、「わー」と声を出して表現する人もいれば、笑顔で表現する人もいるし、心の中だけで表現する人もいます。ヘルパーが相手の表現方法と同じような行動を取ることで、その人の楽しさは増していくのではないでしょうか。

 

■ 利用者さんの好きなものや趣味に関して事前に調べる

好きなものや趣味を知ることで、共通の話題が増え、会話が弾みます。また、ここに行きたい・これがしたいという意思をなかなか持てない人、もしくは意思を伝えるのが苦手な人には、好きなもの・趣味をベースに提案することができます。それは遊びの幅を拡げることに繋がるのです。

 

■ 自分自身の引き出しを増やし、人間力を高める

他者の生活をサポートすることに、たったひとつの正解はありません。臨機応変さが求められ、サポートする側の人間力が試されます。人間力とはその人の総合的な魅力のこと。人間力の高い人は「らしさ」の深みがあり、物事への対応力が高く、誰とでも親しくなるコミュニケーションスキルを持っていると僕は思います。人間力を高めるのは「好奇心×探求心」。物事に興味を持つ「好奇心」を右手に、物事を深く知ろうとする「探求心」を左手に持ち、たくさんの経験を積み重ねていき、引き出しを増やしていくことで人間力が高まります。

 

僕はこれら3つを意識することで、その人の遊びをより楽しいものとし、より「らしさ」が表現できる環境にしています。

「落ち着ける遊びの場を維持し、提供する」「好きの視野を広げ、選択肢を増やす」

その両方の視点を意識し、その人らしさが存分に現れる「遊び」を一緒に楽しむのも、ヘルパーの大切なお仕事です。