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セコライフ! - 障害福祉と音楽と何かと -

障害福祉の業界で働くぼくが考える医療福祉論から仕事の枠を超えた活動や好きな音楽まで幅広く発信。

第7回「サービス化以前の思いやり」

僕は医療福祉トークイベント「WellCON」を企画しています。今回は10月に開催したそのイベントで感じたことを書きます。

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「障害があっても学びたいことが学べる」ように障害学生をサポートするサービスを立ち上げ、展開している人をゲストに迎え、主力サービスである「要約筆記者派遣」を中心に、新しく事業を立ち上げ、展開していくしんどさや苦悩、嬉しさややりがいをありのままに伝えるようなトークを展開しました。

 

ゲストトークを終えた後、参加者数人からゲストに対して質問がありましたが、1つの質問に違和感を覚えました。質問者は、中学生の車椅子ユーザー。彼は「学校の授業で、黒板の文字が見えない。これを解消するサービスはありませんか」と質問しました。僕は頭の中が「?」でいっぱいになりました。

 

まず、黒板が見えないのであれば、見えない理由を考え、見えない理由を解消するために環境を変えたり、整えたりし、黒板が見えるようにします。これらを行い、学べる環境をつくることで、授業に参加している状態になっていると「はじめて」捉えることができます。

 

例えば、耳が聞こえない学生は、先生が何を話しているのか分かりません。このバリアを解消する1つの手段が「要約筆記」。要約筆記を使用することで、先生が何を話しているのかを文字として伝わり、授業に参加できることができます。目が見えない学生は、教科書を読むことができません。このバリアを解消する1つの手段が「点字の教科書」。点字の教科書を使用することで、教科書を読むことができ、授業に参加することができます。

 

例にも挙げた通り、「できない」を「できる」に変える環境をつくり、環境を維持していくのにヒトやモノが必要である場合、サービスやプロダクトが生まれます。しかし、中学生の彼が伝えてくれた質問の内容はサービス化以前の段階です。学校の先生や友達が彼のことを考え、「見えない」をつくってしまっているバリアに向き合い、どのようなことに配慮したらバリアを解消し、黒板の文字が見えることができるかを考え、そのアイディアを実行すれば、彼が困っている「黒板の文字が見えない」を「黒板の文字が見える」に変え、授業に参加することができます。例えば、彼が座る席を前にしたり、見える位置にしたりし、文字が見えるよう配慮したら、バリアはすぐに解消し、彼は問題なく授業に参加することができます。

 

今回はサービス化以前の思いやりの段階です。サービスにする事象ではなく、少しの思いやりが解消できることです。